コレクション: umi.doodle
『umi』
普段の描き方は、無作為なモチーフ選びから始まります。
金色を全面に予め塗布したキャンパスに、思いのままに絵具を数時間掛けて散布していきます。
絵具跡に閃きを得ながら動物などのメインモチーフを浮かべていきます。キャンパスに対峙して数時間で構図が見つかることもあれば、一週間見つめても出て来ないで諦めることもあります。
スケルトンリーフのような花弁や、好きな孔雀の羽根を置いていき、要所には薄いカモフラージュ柄を細かく描き込んでいきます。
絵に柔らかな感情を持たせるために細かいタッチで全体に色を重ねていきます。
工芸を学んだことが作品制作には息長く影響しています。ペイズリー、唐草模様、綿密に描いたボタニカル柄をモチーフや付近に様々に描き込んだり、工芸の技法そのものを作品に用いることもあります。
2019年秋、初めてライブペイントを駅前で行ったことがきっかけで、無意識と意識の狭間で描いていくことに興味を強く抱くようになりました。
ヒプナゴジア(半睡眠幻視)的に、飛び込んでくるイメージを形に仕上げていきます。描くというよりかは聞くように意識していることが多いです。まだまだ途上な技法ですが、段々と制作の楽しさが掴めてきたところです。
合間の読書でふっと得たイメージをそのまま描くこともありますが、感覚的には同じで、今現在の描く時の工程は、『イメージ』という突然の訪問客を捕まえる儀式みたいに考えています。
動植物や少女を描くことが殆どですが、2020 年以降は生き物という箱の中に入っている魂や、それをコントロールする精神のやり取りから生まれた空間幻想を描いてみたいと筆を走らせています。
これらの研磨中の技法に自分の動植物への思想を乗算したものの総称として、airシリーズ としています。仕上げにはメインのモチーフに名前を付けて完成としています。